SK IP LAW FIRM

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


SK特許業務法人
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SK特許業務法人の知財戦略ブログ

SK特許業務法人 特許実務メモ

 

 

特許調査の目的に応じた調査方法

特許調査には、下記のように色々な目的で行うものがあり、目的に応じて特許調査の方法は大きく異なります。目的に応じて特許調査の手法をうまく使い分けましょう!


1)特許出願前の技術常識の把握

特許権を取るには、新規性・進歩性が必要です。そして、新規性・進歩性は、出願時の技術常識との比較で決まります。そのため、特許出願をする前に、あらかじめ技術常識を把握する必要があります。

 

日本語の特許文献の調査は、J-PlatPatなどで比較的容易に行うことが可能ですが、日本語の論文などの調査は、各種の学術文献データベースを使いこなす必要がありますので少し困難になります。

 

英語、中国語、韓国語などの特許文献・論文などの調査は、有料の外国語対応の特許データベースや学術文献データベース、あるいは海外の特許データベースや学術文献データベースなどを使う必要があるので、さらに実行が困難になります。 単に技術知識があり特許調査に精通しているだけでは駄目で、英語・中国語・韓国語に堪能な人材でなければ調査が困難な場合も多いです。

 

一般的には、医薬品の特許出願前の技術常識の把握の場合を除いて、この段階で徹底した特許調査を行うことは少ないです。なぜなら、どうしても不安であれば、日本特許庁に特許出願と同時に早期審査請求をかければ、2~3ヶ月程度で特許庁の審査官が先行技術調査をしてくれるため、特許庁に支払う印紙代の方が安く済むケースが多いためです。そのため、特許出願前の技術常識の把握のための特許調査は、コストパフォーマンス重視で簡易調査に留めるのがよいと思われます。

 

2)新商品の他社特許クリアランス

新商品が他社特許を侵害してしまうとダメージ大

 新商品の販売中止 マスコミ報道などによる風評被害

 流通・店頭在庫の回収・廃棄

 自社在庫・半製品・原材料・部品の廃棄

 自社製造設備の廃棄 損害賠償金の支払い

 訴訟対応の人件費負担

 訴訟対応の弁護士・弁理士費用負担

 訴訟対応のために研究開発部門が機能麻痺

自社の新商品が他社特許に抵触しないかどうかの調査を行う必要あり

 簡易調査では危険(ある程度のコスト負担は覚悟)

  部品・材料については、調達先に特許保証をつけさせるのがよい

  海外にも輸出する場合には、海外特許の調査も必要

 邪魔な特許が見つかったら、無効理由調査に移行する場合あり

 弁理士の鑑定書を取る場合もある

 

3)他社特許の無効理由発見

自社の新商品が他社特許に抵触するリスクがある場合に行う

 他社の特許を無効にできる先行技術文献を調査する

  特許文献

  論文

  パンフレット・カタログ

  ウェブサイト・ブログ・ユーチューブ

 日本語で先行技術文献が見つからない場合には、外国語で調査

  英語

  中国語(簡体字+繁体字)

  韓国語

  スペイン語・ロシア語・ポルトガル語

 先行技術文献が見つかった場合の対応

  無効審判を起こす(権利化前なら匿名で情報提供をする)

  弁理士の鑑定書をもらっておく(無効理由を隠し持つ)

  同業他社には秘密で自社にのみ有利な条件でライセンス交渉をする

 

4)特定技術分野の特許出願動向

同業他社の研究開発動向を合法的に探る

 競争回避に利用(ブルーオーシャン戦略)

  他社の強すぎる技術分野(レッドオーシャン)からの撤退

  他社の弱い技術分野(ホワイトスペース)への進出

 他社を凌駕する特許ポートフォリオ構築(軍拡競争)

  他社の特許件数を上回る大量特許出願

  他社の基本特許に大量の改良特許をかぶせこんで無力化

  自社の基本特許に大量の改良特許を追加して強化

  自社の基本特許の周辺に大量の防衛特許を配置して牽制

 他社とのクロスライセンスに利用

  自社で利用したい他社の特許ポートフォリオを把握

  他社の特許ポートフォリオと同じ技術分野で自社も特許ポートフォリオ構築

  特許ポートフォリオの強弱に基づいてクロスライセンスの交渉を行う

 

5)M&Aの際の特許デューディリジェンス

大企業がベンチャー企業を買収する際に行う

 ベンチャー企業の価値を算定する際に必要

  特許ポートフォリオは通常はバランスシートに資産計上されない

  特許ポートフォリオを無形資産として評価して買収

  買収した特許ポートフォリオは通常はのれん代として計上

 特許ポートフォリオの経済価値を算定するために利用

  ベンチャー企業の特許ポートフォリオを整理

  同業他社の特許ポートフォリオを調査

  その業界内でのベンチャー企業の特許ポートフォリオの競争力を評価

 ベンチャー企業買収後の事業戦略を立案するために利用

  大企業とベンチャー企業とのシナジー効果を出す

  互いの特許ポートフォリオの補完関係を検討

  両社の融合特許ポートフォリオの同業他社への牽制効果を検討

 

6)他社の研究者のリクルーティング

中国・韓国・台湾企業がよく行う

 自社が強化したい技術分野の他社特許ポートフォリオを調査

 その技術分野で活躍している発明者をリストアップ

 筆頭発明者は、その研究プロジェクトの責任者

 末席発明者は、実際に手を動かして実験・設計をしている実働部隊

 自社が採用したい発明者を決定

 ヘッドハンティング会社を使って発明者にアプローチ

 発明者が、地位・名誉・やりがい・金のどれを重視するか把握

 発明者に満足する待遇を用意できるようであれば、正式にオファー

悪質なケースもあり

 発明者がライバル企業を退職する意思を表明直後に採用キャンセル

 ライバル企業の研究開発部隊を弱体化させるのが狙い

 発明者にライバル企業の営業秘密を持ち出させるケースもあり

 数年間高給を払ってノウハウを盗んだらクビにするケースも多い

 地位・名誉・やりがい・金では採用できない場合に、ハニートラップを仕掛けることも


ご自分で特許調査をされる場合(役に立つリンク)

下記のリンク先をご参照ください。特許庁が先行技 術調査をサポートする関連情報を掲載していますので、大 変役に立ちます。

特許検索ポータルサイト

特許調査業界(特許事務所、特許調査会社)のことをお知りになりたい場合には、下記のリンク先をご参照ください。
特許調査従事者の現状と今後に関する調査研究報告書