SK IP LAW FIRM

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


SK特許業務法人
〒150-0012
東京都渋谷区広尾3-12-40
広尾ビル4階
TEL 03-6712-6985
FAX 03-6893-1412

SK特許業務法人の知財戦略ブログ

SK特許業務法人 特許実務メモ

 


SKIPでは、日本の特許事務所には珍しく「オープンブックマネジメント」を採用しています。

オープンブックマネジメントとは、一言で言えば「ガラス張経営」ということです。

オープンブックマネジメントの教科書的な定義は、「企業の財務諸表や経営数値を社員に開示し、経営の透明性を高めることで社員のモラールを高めようとする経営手法」となります。

つまり、オープンブックマネジメントとは、単に経営者・従業員のモラルを高めるにとどまらず、「雇われ人意識」 から「経営の視点」を持った社員へと意識変革をしてもらうための会計制度・人事制度ということになります。

SKIPでは、下記の書籍を参考にして、事務所の売上、個人の売上、経営者の報酬、従業員の報酬、各種経費などがすべて所内のメンバー全員に丸見えのオープンブックマネジメントを導入してい ます。

そのため、経営者が勤務実態のない親族に報酬を与えたり、不当に過大な役員報酬を受け取ったり、個人的な飲み食いの経費を事務所の経費として落としたりすることは一切できない仕組みになっています。一方、従業員としても自分の仕事ぶりが事務所に利益をもたらしているか、逆に事務所に損失をもたらしているかが分かる仕組みになってお り、労働意欲を健全な形で高める仕組みになっています。すなわち、SKIPでは、成果主義というよりも、完全に個人事業主の集まりという形の報酬体系を構築していますので、1千万円を超える報酬を得る所員がたくさん出る仕組みに なっています。

SKIPでは、オープンブックマネジメントを行うに当たり、経済センサス国税庁統計厚労省統計などの各種政府統計から得られる特許業界の平均的な事業構造を分析して、業界平均を上回る 経営指標を叩き出せるように料金体系、報酬体系などを工夫し、オフィス賃料、その他経費(通信費、交際費、交通 費、出張旅費、送金手数料、消耗品費など)の節約に取り組んでいます。

なお、SKIPの方で現在ベンチマーク対象としている特許業界の業界平均の数値は以下のとおりです。

特許事務所  平均売上      1億5000万円
         平均付加価値      7500万円
         平均営業利益      4500万円(個人事業の場合の所長の年収)
         平均所員数            9名
         所員一人あたり売上  1600万円
         所員一人 付加価値   790万円
         所員一人あたり年収   440万円(個人事業の場合の所長以外のメンバーの年収)

特許事務所が、サムライ業の中では儲かるビジネスモデルであることがよく分かります。もっとも、一人あたり売上および 一人あたり付加価値では、クライアントである大手製造業(社員1000人以上)の正社員(一人あたり売上7316万円、一人あたり付加価値1917万円)の 皆様よりも低い・・・のが現実です。なお、製造業の中でも最強なのが大手化学工業(社員1000人以上) の正社員(一人あたり売上8197万円、一人あたり付加価値3583万円)です。このようなデータからも、日本経済を支える主役は、大手製造業であることは明らかです。特許事務所は、大手製造業の活躍をサポートする脇役に過ぎません。

2016年版 中小企業白書 中小企業の生産性分析 より引用

2016年版 中小企業白書 中小企業の生産性分析 より引用

また、特許事務所の所員は福利厚生&年金&退職金が貧弱であるため、特許事務所で年収1000万円もらうのは、大手製造業で年収700万円もらうのと同じくらいの実質価値しかないと考えられています。そう考えると、やはり特許事務所で働くよりも、例えばキーエンスやファナックや三菱電機のような業績の良い大手製造業で正社員をするほうが有利だと思います。

大手製造業の正社員に一人あたり売上、一人あたり付加価値(すなわち労働生産性)で対抗できる専門職はありません。例えば、高齢化社会で儲かっていそうな医療業界でも一人あたり売上1000万円、一人あたり付加価値500万円で大手製造業の正社員には到底叶いません。また、サムライ業で最強の特許業界でも上記のとおり一人あたり売上1600万円、一人あたり付加価値790万円に過ぎません。そして、専門職で最強の経営コンサルタントでも、一人あたり売上5000万円、一人あたり付加価値1550万円なので大手製造業の正社員には遠く及びません。

そのため、ご子息に理系の才能があるのであれば、東大などの一流大学で工学修士などを取得させて大手製造業で研究者・技術者になって出世を目指させたり、最近なら、ベンチャーキャピタルなどから出資を受けて設備投資・在庫投資などが不要なITベンチャーの起業でもさせるのが最強です。しかし、若いうちに社内の派閥争いなどに負けて出世コースからドロップアウトしたり、実験が下手くそで研究所で使い物にならないことがわかった場合には、マッキンゼー・ア クセンチュア・ボスコンなどの大手経営コンサルティングファームに行って経営コンサルタントになるのが次善の策だと思います。そして、経営コンサルタントになれるほどの人間力・営業力が無いのであれば、しょうがなく特許事務所に転職して弁理士にでもなる・・・というくらいの位置づけにすべきなのが弁理士という職業です。大手の製造業に無事に就職できて研究者・技術者として活躍中の人が人生を棒に振ってまで目指すべき仕事では決してありません(どうしても知財の仕事に興味があってやりたい場合には、特許事務所よりも企業の知財部に異動したほうがよいと思います)。

話が少し脱線しましたが、日本の特許事務所のコスト構造はおおまかに以下のような感じになっています。
         
特許事務所(個人事業)の平均コスト構造
         売上                 100.0%
         総費用                 70.0%
         総費用のうち給与等         23.5% 
         総費用のうちオフィス賃料      7.0%
         総費用のうち減価償却費       1.3%
         総費用のうち租税公課        4.2%
         総費用のうち外注翻訳費       9.2%
         総費用のうち支払利息        0.0%
         その他経費              22.6%
         設備投資(有形)            2.7%
         設備投資(無形)            0.0%  
         営業利益                30.0%

法人化していない特許事務所の所長の平均年収は、約4500万円(売上の30.0%)である。
法人化していない特許事務所の所員の平均年収(福利厚生込)は、約440万円である。
法人化していない特許事務所は、平均してオフィス賃料として月88万円(売上の7.0%)を支払っている。
法人化していない特許事務所は、平均してその他経費として月282万円(売上の22.6%)を支払っている。
法人化していない特許事務所は、平均して外注翻訳費として月115万円(売上の9.2%)を支払っている。

つまり、多くの特許事務所の所長の発想は「売上の1/3は俺様のものであり、所員共には世間の平均年収(日本人の平均年収である約400万円)より多めになるように報酬を与えておけば充分だ。あんまり沢山報酬を取りすぎて税金払うのも馬鹿らしいから、事務所の経費をガンガン使って、豪華なオフィスに入居して、ゴルフに行って、ベンツ買って、銀座で飲み歩いて、愛人つくるぞー。」という感じであることがよく分かります。


特許業務法人(所長の家計と事務所の会計が別)の平均コスト構造
         売上                  100.0%
         総費用                 87.0%
         総費用のうち給与等          44.0% 
         総費用のうちオフィス賃料       6.0%
         総費用のうち減価償却費       0.8%
         総費用のうち租税公課         1.7%
         総費用のうち外注翻訳費       9.2%
         総費用のうち支払利息         0.2%
         その他経費              25.0%
         設備投資(有形)            0.3%
         設備投資(無形)            0.0%  
         営業利益                13.0%

特許業務法人の平均営業利益は、約1950万円(売上の13.0%)である。
特許業務法人の所員の平均年収(福利厚生込)は、約733万円である。
特許業務法人は、平均してオフィス賃料として月75万円(売上の6.0%)を支 払っている。
特許業務法人は、平均してその他経費として月311万円(売上の25.0%)を支払っている。
特許業務法人は、平均して外注翻訳費として月115万円(売上の9.2%)を支払っている。

上記の通り、法人化している事務所は、個人事業の事務所よりも合理的で透明な経営をしている可能性が高いと思われます。なお、特許業務法人の所員の平均年収が個人事業の場合よりも高くなっているのは、個人事業では営業利益に含まれていた所長の役員報酬も法人では給与等に含まれているからだと思われます。また、その他経費には、所長の飲み食い、接待交際費、半分遊びの海外出張、愛人へのお手当などの費用が含まれていると思われます。

一方、SKIPでは、以下の様な実績になっています。


SK特許業務法人の実績(2017年度実績)


◆2017年の決算(法人事業)で黒字化達成(弊所顧問 浅田会計事務所が本決算を作成)

売上高 約3億0,441万円 (前年比 116.1%)

当期純利益(税引前) 約2,699万円 (前年比 131.1%)

純利益率(税引前) 約8.8%

当期純利益(税引後) 約1,851万円

手元現預金 約1億1,586万円 月商 約4.5月分

 

●アソシエイト弁理士+特許技術者の年収(2017年にフル稼働した人材11名 平均勤続年数3年) 

平均年収 約868万円

最高年収 約1557万円

年収1000万円超 (11名のうち)5名

 

●事務開発部門の年収(2017年にフル稼働した人材7名 平均勤続年数3年) 

平均年収 約627万円

最高年収 約966万円

 

SKIPが、サービス業の呪縛を乗り越え、さらに労働生産性を高めて所員の年収を増やすための経営戦略

サービス業の生産性が低い原因は下記の3要因。

〔1〕同時性

〔2〕不可分性

〔3〕消失

この3要因には、【海外の企業と国際競争しなくて済む(つうか、下手したら、県外や市外の企業とも競争しなくて済む)ので、ぬるま湯に浸かっていられる】というメリットもある。そのかわりに、労働生産性を高めることができないという十字架(ジレンマ)を背負うことになる。いいのか、わるいのか。

 

2016年版 中小企業白書 中小企業の生産性分析 より引用

 

その証拠に、飲食サービス業や医療,福祉業、宿泊業における労働生産性は平均が低いだけでなく、【企業間の水準のばらつきも小さい】ことがわかる。 つまり、経営者の経営のうまい、下手によってほとんど業績に差が出ない・・・(医療福祉は、料金が公定価格に固定されているのもあるが・・・)。

 

一方、専門技術サービス業(特許事務所はココ)は、労働生産性の平均が高いだけでなく、【企業間の水準のばらつきも大きい】ことがわかる。 つまり、経営者の経営のうまい、下手によって大きな業績差が出る・・・ 上記の同時性、不可分性、消失の3要件は変わらないはずなのだが・・・

 

なぜかと考えてみたが・・・ おそらく、受注→作成→納品までのタイムスパンが効いている。

 

飲食サービス業や医療,福祉業、宿泊業では、受注→納品までのタイムスパンが、わずか数分~最大でも1日くらい。なので、生産活動を平準化することができず、単位時間あたりの生産効率を高めても(サービスを作り置きできないので)しょうがない。

 

一方、専門技術サービス業(特許事務所はココ)は、受注→納品までのタイムスパンが、少なくても数日~ながければ数ヶ月くらい。なので、受注してから納品までの間の作業スケジュールを調整すると、生産活動を平準化することができる。そのため、単位時間あたりの生産効率を高めると、もろに売上+粗利が増加して労働生産性が高まる(ただし、作りおきまでは無理・・・)。

 

そのため、専門技術サービス業の中でも、受注→納品までのタイムスパンが、1~2ヶ月程度(明細書作成+OA応答)と比較的長めな特許事務所の場合には、ITを活用して、各担当者の工数をうまく平準化して、さらにルーチン業務を自動化して単位時間あたりの生産効率を高めると、もろに売上+粗利が増加して労働生産性が高まる。

 

2016年版 中小企業白書 中小企業の生産性分析 より引用

 

市場の寡占は、めちゃくちゃ労働生産性に効いてくる。上位3分類の、不動産業、金融・保険、インフラは、いずれも寡占化が進んでいる業界。また、専門技術サービスでは、大規模化もある程度は効いてくる。

 

また、専門技術サービス業(特許事務所はココ)は、飲食サービス業や医療,福祉業、宿泊業などに比べれば、大規模化による労働生産性の向上効果が少しだけ大きい。とはいえ、そんなには、大規模化は労働生産性の向上には効いてこない。やはり、ITを活用して、各担当者の工数をうまく平準化して、さらにルーチン業務を自動化して単位時間あたりの生産効率を高めることのほうがはるかに重要。

 

現在、特許業界は、特許事務所の数が減少傾向にあり、寡占化が進みつつある。これは、明らかに、労働生産性を高めるチャンスである。 なので、SKIPが、さらに労働生産性を高めるには、受注→納品までのタイムスパンが、1~2ヶ月程度(明細書作成+OA応答)と比較的長めな特性を活かして、ITを活用して、各担当者の工数をうまく平準化して、さらにルーチン業務を自動化して単位時間あたりの生産効率を高めることに加えて、日本の特許業界でトップ50に入るくらいまで大規模化して、マーケットの寡占化の果実を享受しないといけない。