SK IP LAW FIRM

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


SK特許業務法人
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SK特許業務法人の知財戦略ブログ

SK特許業務法人 特許実務メモ

 
特許事務所への転職ってどうよ?

 
特許事務所への転職を検討しておられる大学院生、企業の研究者の皆様におかれましては、以下の注意点を考慮 の上、特許事務所への転職をされることをオススメします。


特許事務所への転職に必要なスペックは、一般的には以下のとおりです。


学歴:通常は理工(農薬)系の学部卒が必須、理工系修士、博士ならなベター

弁理士資格:独立開業には必須だが、勤務する場合にはあればベター程度

語学:通常はTOEIC700点以上はコレポンに必要、800点以上なら英和翻訳、900点以上なら和英翻訳が可能

技術者経験:学部卒だと2~3年は必要、ただし、理工系修士、博士の場合には未経験でも可のことが多い

特許実務経験:経験者優遇の事務所が多い、新卒歓迎の事務所は大手事務所またはブラック事務所が多い


これら5つのスペックをすべて満たさないと採用されないことが多いので、いわゆる大企業の研究開発職レベル のスペックが要求されると考えればよいと思います。


特許事務所に転職した場合の利点、欠点は以下のとおりです。


利点
20~30代では、大企業の研究開発職と同レベルまたは少し多めの報酬がもらえる
知名度がゼロなので、競争が緩く、二流の研究者でも一流の弁理士になれる

都心のおしゃれなオフィスビルで働け、転勤がない
仕事は体力的に楽なので、運動音痴、虚弱体質でもOK

手先の器用さは不要なので、実験が下手くそでも大丈夫
チームワークが求められないので人間関係が駄目なオタクでも大丈夫
自分で仕事のスケジュールが組めるので時間の融通が効く
いざとなったら転職、独立開業が簡単にできるので嫌な経営者、上司のパワハラに我慢せずに済む


欠点
福利厚生が無いに等しく、企業年金もなく、退職金が無いケースが多い

知名度がゼロなので、異性にもてないし、親戚・同級生に馬鹿にされる

出張など殆ど無くオフィスに閉じこもりっぱなしなので鬱っぽくなる
体を動かさないので太る、目が悪くなる、腰を痛める
頭脳を酷使するのでノイローゼ気味になる
他人との交流が少ないので気分が暗くなる

社内での異動などは無いので、人間関係が悪化したら転職、独立するしかない


というわけで、特許業界というのは、学歴は高くて頭脳も優秀だけれども、人間関係が苦手で異性にはあまりモテナイ引きこもり系のオタクにピッタリの仕事だということができます。


間違っても、コミュニケーション能力の高いイケメンのリア充の人は迷い込んではイケない業界です。


もっとも、ライバルの大部分が引きこもり系のオタクであるという環境を利用して、リア充の人が経営者として参入して、優れたコミュニケーション能力を生かして、営業面&マネジメント面で活躍するという高度な戦略 を採用するのであれば、引きこもり系のオタクに嫌悪感のないリア充の人にも向いているかもしれません。


ここで注意しなければならないのは、特許業界の人材の大部分は引きこもり系のオタクであるため、特許事務所 の経営者も引きこもり系のオタクが多く、まともな営業力&マネジメント力のない変な人が多いということです。そのため、いわゆる【ブラック企業】といわれる職場は、通常の大企業に比べると格段に多い傾向がありま す。


特許業界への転職の流れ(典型パターン)
STEP1
大学(院)
特許事務所の存在すらしらないまま大学の研究室でマ ニアックな研究に打ち込む。大学教授コースが最高のエリートコースであると信じているが、教授 になる自信はないので、その次にエリートっぽい大手企業の研究職目指して就職活動をする。
STEP2
企業の研究者

大企業の研究所に就職が決まって張り切って研究をするが、しばらくすると研究者だからと いって他の職種よりも給料が良いわけでもなく、出世に有利なわけでもないことに気づいて ちょっとがっくりする。

STEP3
人間関係失敗

企業の研究所では、サイエンスの観点からではなく、ビジネスの観点から研究開発が行われ るので、面白い研究テーマであってもお金にならなければプロジェクトは容赦なく打ち切られ る。そんなこんなで、思わず上司と喧嘩しちゃったりする。

STEP4
発明者となる

毎年知財部から特許出願のノルマを課せられ、いやいやながら発明提案書を書いて知財部か ら紹介された弁理士と面談して特許出願をすることになる。ようやく、弁理士という職業の存 在を知ってへえーっ意外と面白そうだなと思う。

STEP5
リストラの危機

景気の悪化によって自分の担当する研究プロジェクトが打ち切られ、研究所内でリストラの 嵐が吹き荒れる。まだ若手研究者なのでリストラ対象ではないが、なんだか気持ちが荒んでし まって転職したくなる。

STEP6
転職活動

リクナビとかいろんな転職サービスで転職先を探すがあんまりいい条件の転職先がなくて がっくりする。そんな中、特許事務所の求人の数が予想外に多く、お給料も悪くないので候補 として考え始める。

STEP7
特許事務所応募

特許事務所に応募してみると、まだ20代~30代前半で、理系出身で英語もできたので歓 迎される。研究所時代と同じくらいかちょっと多めのお給料も出るようだし、田舎の研究所よ り都心の特許事務所の方が楽しそうなので転職を決意する。

STEP8
特許事務所入所

特許事務所に入所してみると、所詮は中小企業なので雇用の安定性が低いことにショックを 受ける。また、お給料の額面はちょっと良くても、退職金も企業年金もなく福利厚生が無いに 等しいので、奥さんから文句を言われて落ち込む。

STEP9
悪戦苦闘

研究所時代に弁理士に明細書を書かせていたときと、自分で明細書を書いてみたときとの落 差の大きさにショックを受ける。パートナー弁理士から厳しく指導を受けて反発したい気持ち も生まれるが、我慢して修行を続ける。

STEP10
一人前に

しばらく修行をしているうちに自分でバリバリと明細書が書けるようになり、研究者と一人 で面談もこなせるようになって自信がついてくる。苦労はしたけれど、特許事務所に転職して 正解だったかな?と思えるようになってくる。