SK IP LAW FIRM
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


SK特許業務法人
〒150-0012
東京都渋谷区広尾3-12-40
広尾ビル4階
TEL 03-6712-6985
FAX 03-6893-1412

SK特許業務法人の知財戦略ブログ

SK特許業務法人 特許実務メモ

mail magazine

 

SK特許業務法人は、2008年、弁理士奥野彰彦により設立され、以後「日本企業の多国籍化を支援する特許事務所」 をモットーに業務の拡充を図って まいりました。


◆突然の独立開業の辞令にパニックに!(準備の3ヶ月)

2008.10.08

横浜でS&K特許事務所を設立(所員2名)


 2008年10月8日に、当時の勤務先であった園田・小林特許事務所の園田先生のご指示に基づいて、東急電鉄のご厚意によって無料で賃借した東急田園都市線のあざみ野駅の「自転車置き場の隅のプレハブ小屋」からスタートしました。えー冗談だと思うでしょ?でも、本当にここで仕事をしていましたwww。

 それまで、「サントリー商品開発研究所の研究者→特許事務所の特許技術者→特許事務所のアソシエイ ト弁理士→法律事務所のアソシエイト弁理士→特許事務所のジュニアパートナー弁理士として勤務」という過程を経て独立することになりました。


  今でも、「40歳で弁理士として十分な経験を積んでお金を貯めてから独立すればよかったのかもしれない」と振り返ることもありますが、35歳の若さで貯金も無いのに勇気を持って独立開業をすることを促してくださった園田先生・小林先生の励ましが、今ここにある設立者としての私の基礎になっていると思いま す。


  例えば、設立当初から事務室は常に大部屋のみの1部屋でした。所長が所員と一緒の部屋で全く同じ机・ PCで勤務していれば、所長は常に現場の様子がよくわ かり、所員には所長に気軽にいろいろと意見をいうことができますしね。これらも35歳でいきなり開業した経験からで、それなりの苦労をしたからだと思っています。ちなみに、今でも、所員と出張に行くときには席は近くにして普段はできない事務所経営の方針について熱 く語る、というのが設立以来から続いている当事務所の伝統です。


◆出身事務所の支援を受けつつ体制を整える(1年目の前半)

2008.12.26

横浜スカイビルに移転(所員2名→5名)


 東急電鉄があざみ野駅の自転車置き場を再開発することになり、自転車置き場のプレハブ小屋から立ち退かなければならないことになりました。そこで、横浜駅前のスカイビルに入居しました。しかし、お金がなかったので、園田先生から支援していただいた家賃補助を活用して3畳一間のスペースを賃貸して、3畳一間に3名のむさ苦しい男がおしりをぶつけ合いながら座って仕事をしていました。

 さすがにこれじゃ狭くて仕事にならん・・・ということで、家賃を奮発して4畳半一間のスペースに移って5名でぎゅうぎゅうに狭苦しい中で仕事をしていました。このとき入所してくれた徳重大輔は今でもSKIPで活躍してくれています。このころは、園田・小林特許事務所からの大量の中途移管を処理するのに忙しく、しょっちゅう横浜スカイビルのサウナに泊まって徹夜で仕事をしていました。特許出願の面談にいらっしゃったクライアントが我々の居室を倉庫だと勘違いしたり、採用面接を受けに来た学生が青い顔をして逃げ帰ったりしたのはほろ苦い思い出です。


◆出身事務所の傘の下を離れて真の独立開業(1年目の後半) 

2009.07.01

SK特許事務所に名称変更と共に、渋谷セルリアンタワーを登記上の所在地にし、バックオフィスをパークアクシス渋谷桜丘サ ウスに移転(所員5名→7名)


 2009年6月末に園田・小林特許事務所からの半年間の経営支援期間が終了したため、2009年7月 1日に園田・小林特許事務所との提携関係を解消し、 完全な独立採算経営に移行しました。園田・小林特許事務所との提携関係の解消によって、国内特許出願専門事務所としての位置づけから解放されて外国出願の代理が解禁され、園田・小林特許事務所と共同代理した場合には売上の85%を園田・小林特許事務所に上納しなければならないという義務から解放されたため、日本企業の外国出願のコストダウンを可能にするためのビジネスモデルの構築に乗り出しました。その際、欧米企業相手の外内専門事務所であった園田・小林特許事務所と競合しないように、国内企業の内外出願・アジア企業の外内出願を中心と した経営をする方針を立てました。


 この年は、当時持っていた弁理士受験生のためのゼミを閉鎖して、仕事に専念。昼も、夜も、朝も、オフィスに泊まり込みで頭から湯気を出しながら仕事に没頭していました。超多忙ではありましたが、充実感もありました。

 8月には事務所で最初の海外営業で台湾へ遠征し、9月にはアメリカの義兄(中国系アメリカ人)が在住しているシリコンバレーに行って海外営業をしました。その際に、シアトルにも足を伸ばして、伊藤弁理士と今後の経営方針について話し合いました。9月末には パートナーの伊藤弁理士もシアトルから帰国して加入しワンマン経営から集団指導体制への移行が始まりました。


 8月には事務所で初めての「新卒採用」を実施しました。このときの新人が鈴木博士であ り、現在はSK特許業務法人に不可欠な特許技術者として活躍しています。これ以後、SK特許業務法人では、鈴木博士の育成経験をノウハウ として横展開し、理系博士号を取得したばかりの新卒 を採用して半年~1年程度で一人前の特許技術者に育成していくという人事戦略をとっていくことになりま した。そのため、SKIPでは、30代以上の経験者の中途採用が多い特許業界では珍しく、20代の未経験者の新卒・若手採用を中心にした採用活動を行なっていくことになりました。


2009.12.31
2009年の決算(個人事業)で黒字化達成(売上高 3,649万円 当期純利益 302万円)
弊所顧問 浅田会計事務所が決算を作成


◆法人化して伊藤弁理士と一緒に内外ビジネスモデルを確立(2年目)

2010.01.01

特許業務法人化によりSK特許業務法人(資本金900万円)に名称変更(所員7名→9名)

 今後の日本企業の多国籍企業化のための事業戦略を徹底的に分析した結果、日本企業は、リーマンショックに始まった欧米の金融危機を乗り越え、新興国市場を開拓していくために、従来の欧米にくわえて中韓台への特許出願を激増させるだろうと予測しました。そこで、日本企業にとって必須の新興国対応を支援するために、日本語→英中韓の翻訳を日本国内サイドでワンストップで行うことによる翻訳費用の激減、欧米+中韓台のOA応答をすべて日本サイドで主導権をもってコントロールすることによるOA応答費用の激減を主軸にビジネスモデルを構築しました。


 また、伊藤弁理士と一緒に特許業務法人を設立して経営の近代化を進めるとともに、欧米+中韓台とのコ レポンの効率化のために、IT化・仮想化・クラウド化・ペーパーレス化を徹底的に進めてコストダウン&業務効率化を進めました。さらに、マクロのフル活用による定型業務・翻訳業務の自動化を進めて、専門の事務担当者の人数が少 なくてもスムーズに業務が回る体制を構築しました。


 このとき、新しく特許業務法人化するにあたって所内の体制を大きく変更しましたので、体制の変化につ いていけない人材が2~3名だけではありましたが辞めていってしまったのは悲しい出来事でした。この時の反省を活かして、今後は人材の定着率を向上させるとともに、SKIPの経営陣と同じ価値観を共有できる人材しか採用しないことを誓いました。このとき、伊藤弁理士の指導の下で事務担当者には特許事務・人事・経理の近代化を進めてもらいまし た。おかげで、専属の事務担当者が1名でも業務が回る体制が構築できました。

 幸いなことにビジネスモデルがうまくいき、コストダウンにも成功してリーズナブルな料金でクライアントにサービスを提供できるようになったたために、案件が一挙に増大し、所内が大変忙しい状況で闇雲に働いていました。毎月のように次々に最高益を更新しました。そして10月には設立2周年を迎えました。しかし、調子に乗って年末に特別手当を所員にばらまきすぎたせいで、営業利益が少なくなりすぎて十分な内部留保ができませんでした。次年度からはある程度の営業利益を残してきちんと毎年内部留保をして財務を継続的に改善しよう と反省しました。

 9月には海外営業で伊藤弁理士が韓国へ遠征し、10月には奥野弁理士が台湾に遠征をしました。この韓国・台湾での海外営業で優秀な現地事務所を多く開拓することができました。

2010.12.31
2010年の決算(法人事業)で黒字化達成(売上高 6,743万円 当期純利益 133万円)
弊所顧問 浅田会計事務所が決算を作成

◆アジア外内が収益源に成長して経営が安定(3年目)

2011.04.11
渋谷セル リアンタワーを登記上の所在地にし、バックオフィスを代官山BLESSに拡充移転(所員9名→11名)


 予想だにしなかった311の東日本大震災でパニック状態の中でバックオフィスを引っ越しました。この震災中のパニック状態の中でSKIPに新卒として入所したのが化学工学專門の安倍博士です。 前年同様、経営は順調に進み、オフィスが広くなって労働環境が改善されたために所内は平和でした。売り上げも日本企業の内外およびアジア企業の外内を中心に順調に伸びました。

 10月には奥野弁理士が米国のワシントンDCに遠征をしてジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティーで招待講演をしてきま した。その際に、ワシントンDC・フィラデルフィアの製薬会社の知財部や特許法律事務所を回ってきました。この米国での海外営業で優秀な現地事務所を多く開拓することができました。また、米国の製薬会社の知財部と強固な関係を構築することができました。


 ただ、この年は売り上げの伸びに比して所内の期限管理システム・包袋管理システム・経理システムなどを整えるのが大変でした。この点については、伊藤弁 理士がPATDATAのシステムにエクセルマクロ・ワードマクロのシステムをつなぎ合わせてうまくシス テム構築してくれました。零細企業の「一里塚」であ る「10人1億」(所員数が10人で、売り上げが1億にのる状態)が達成されてようやく経営が安定してきました。


2011.12.31

2011 年の決算(法人事業) で黒字化達成(2011年決算:売上高 1億0,639万円 当期 純利益 594万円 手元現預金 1,437万円)
弊所顧問 浅田会計事務所が 決算を作成


◆所内の理系修士・理系博士の優秀な人材の育成を図る(4年目)

2012.04.20

 4月には奥野弁理士が奥野彰彦弁理士が4月20日(金)に中国の佛山政府の主催で佛山皇冠假日酒店にて開催された国際的な知的財産権法セミナーで「日本企業の知財戦略」というテーマで日本代表として講師を務め、現地の新聞記事に掲載されました。また、中国の佛山政府の皆様と一緒に地元のハイテク企業の知財部を訪問しました。この広州の海外営業で優秀な現地事務所を多く開拓することができました。また、広州の企業の知財部と強固な関係を構築する ことができました。この4月以降、中国からの外内の仕事がさらに増え、さらにアジア外内の事業が強くな りました。


2012.08.03

 8月には奥野弁理士がアメリカの義兄(中国系アメリカ人)が在 住し ているシリコンバレーに行って海外営業をしました。その際に、シリコンバレーの製薬会社の知財部や特許法律事務所を回ってきました。このシリコンバレーでの海外営業で優秀な現地事務所を多く開拓することができました。また、シリコンバレーの製薬会社の知財部と強固な関係を構築する ことができました。この8月以降、米国からの外内の仕事が急に増え始め、さらに仕事のバランスが良くな りました。


2012.10.01

 ワイエム代官山へ移転して、執務スペースと登記場所とを一致させる(所員11名→12名)

 欧州金融危機の影響で家賃が下落したチャンスを活用してワイエム代官山にオフィスを引っ越しました。 これまでは、マンションの一室を執務スペースとして活用し、登記場所はセルリアンタワーとしていました。しかし、今回の引っ越しを機に、クライアントの混乱を防ぐためにも、執務スペースと登記場所とを一致させて頂きました。

 2008~2012年のプレハブ小屋~マンションをオフィスにしていた時代には、駆け足で勢いに任せて突っ走ってきましたが、ようやくまともなオフィスビルに移転したのを機会に、高転びに転んで大けが をしないように、今後は規模の拡大を一休みして内部体制の充実を図ることとしました。今後の来るべき飛躍に備えて、今は低く屈んで体力を蓄えながら、じっくりと所内の理系修士・理系博士の優秀な人材を磨き上げて一人前の特許技術者・弁理士と なるように鍛え上げることに力を入れることとしました。これらのメンバーを一人前に育てた上で、さらに新卒・若手の理系修士・博士を採用して少しずつ規模の拡大を図ることとしました。


 11月には増え続ける欧米への特許出願&欧米からの特許出願に対応するために、理化学研究所の知的財産部からTEOIC970点、東大大学院卒化学専攻の柳澤文子を採用し、欧米向けの特許事務&翻訳業務の強化を図り ました。このおかげで、これまで中韓台などのアジア向けに比べると弱かった、SKIPの欧米向けの業務がかなり強化されることになりました。

2012.12.31

2012 年の決算(法人事 業)で黒字化達成:売上高 1億2,840万円, 当期純利益 650万円, 手元現預金 2,595万円,  有利子負債ゼロ)
弊所顧問 浅田会計事務所が 決算を作成


◆事務グループの人材強化、商標業務の強化、売上高利益率の向上(5年目)

 人事マネジメント・報酬体系の改善に試行錯誤(所員12名→13名)

 これまで技術系の人材を中心にSKIPは成長してきましたが、クライアントからの仕事が増え続けている状況に対応するために、2013年はSKIPの日中韓台向け事務作業のマンパワーをさらに強化しました。


 しかしながら、2013年の夏には、期待の新人が家庭の事情でSKIPを辞めて地元に帰ってしまい、 人事戦略の練り直しを迫られました。本人は家庭の事情と言っていますが、SKIPの完全歩合制の厳しい報酬体系で福利厚生など無きに等しかったのも一因だ と思います。この件で反省をして、人材の定着率を向上させるために、入所したばかりの新人には【完全固定】の報酬でSKIPの仕事のやり方に慣れてもらい、その後は【固定+歩合】のハイブリッド型の報酬体系で少しずつ歩合の要素を増やしていき、慣れてきたら【完全歩合制】に移行するという形で新人を育てていく方針に切り替えました。また、福利厚生を充実させるための施策も行いました。


 また、既存クライアントから特許の外国出願に加えて商標の外国出願の依頼が増えているため、SKIPで商標業務を担当している鈴木博士を中心に商標を担当する人材の強化を行いました。食品・医薬品・化粧品などの化学・バイオ系のクライアントは、他の技術分野に比べて大量の商標登録出願をするため、化学・バイオ系の特許技術者が商標担当者を兼任する多能工化を進めるのが適切であると考えられるためです。SKIPとしては、鈴木博士を外国の商標制度に精通した一人前の商標担当者(兼、外国の特許制度に精通した化学・バイオ系の特許技術者)に育てた上で、さらに他の化学・バイオ系の理系博士にもノウハウを横展開して少しずつ商標グループの拡大を図っています。


 また、4年目までは売上の向上に注力してきましたが、5年目からはSK特許業務法人の売上高利益率を約10%に向上させるために、報酬制度の微調整を始めとしていくつかの対策を行いました。その結果、 2013年度は売上高利益率がはじめて約10%になりました。その結果、内部留保金が増えて資金繰りが改善しはじめました。ただし、所員の搾取を厳しくし過ぎて人材定着率が低下すると、 結局はSK特許業務法人にとっても不利益になるので、SK特許業務法人の売上高利益率は約10%程度に維持することにしました。年度末には、売上高利益率が10%を超えたので、それ以上に利益が出た分を所員に還元して、夏冬のボーナスとは別に決算ボーナスを支給しました。

2013.12.31

2013 年の決算(法人事 業)で黒字化達成:売上高 1億5,213万円, 当期純利益 1,404万円, 手元現預金 1,530万円,  有利子負債ゼロ、経営陣等からの短期借入金2,419万円)
弊所顧問 浅田会計事務所が 決算を作成

◆奥野の経営専念、オフィス環境の改善、技術グループ・事務グループの機能分化(6年目)

2014.02.10

大芦ビルへの移転に伴う労働環境の改善(所員13名→17名)

4名の若い優秀なメンバーが加わるにともなって、渋谷区の鶯谷町にある40坪程度(月40万円程度)のワンフロアの大芦ビル2階に移転しました。新しいオフィスビルにはエレベー タはありませんが、2階に入居しましたので階段を登るのが楽になりました。また、新しいオフィスには、きちんとした会議室、きれいな男女別トイレ、大型の 空調システム、セ キュリティーロック付きのドアも設けましたので労働環境も改善されました。


また、新オフィスへの移転による所員数の増加にともなって、それまでの奥野・伊藤の独裁指導体制では所内メンバーの指導・育成が困難になりましたので、SKIPを複数アメーバ体制に移行させることにしました。まずは、所内の経験豊富なメンバーをメンターとして新入所員の育成にあたらせることとしました。また、クライアントからの案件の殺到によって、特に若手男性所員の残業、休日出勤によって対応している状況を改善するために、事務グループの人員を増強して、技術グループ・事務グループの機能分化を行って技術者の負荷を軽減することとしました。


また、技術グループ・事務グループの機能分化にともなって、事務担当者でも担当可能な定型的な業務について報酬体系を変更しました。更に、新しく中間管理 職になるグループリーダーにマネジメント上のモチベーションを与える必要がありましたので、報酬体系の変更を行いました。そして、これまで口約束で行っていた技術者の歩合の報酬計算方法、事務担当者の月額報酬・残業代・有給休暇などの計算方法、夏冬決算ボーナスの計算方法などについて、統一報酬計算テーブルなどの各種ルールを作成して明確な計算方法を定めました。


SKIPでは、報酬体系の設計について、下記の書籍の経営理論を参考にしています。



ちょうどこの時期に、上記のように技術グループ・事務グループの機能分化を行って、統一報酬計算テーブルなどの各種ルールを作成して明確な計算方法を行うことに反発したメンバーが所内で不満を爆発させ、その対処のために奥野が心労でぶっ倒れて大出血し、脳外科に運び込まれて入院する事件が有りました。奥野はしばらくの間は、包帯を隠すために帽子を被った状態で仕事をするような形になり、奥野が担当していた一部の案件で期限に遅れてしまうなどの事故が発生しました。

 

そこで、伊藤弁理士とも相談した結果、新オフィスへの引越をきっかけに、奥野は自分で直接案件を担当することから引退して、SKIPの経営に専念することになりました。
その後、SKIPは以下の体制で運営されることになりました。

 

CEO(代表社員 持分67% 経営責任者):奥野
COO(社員 持分33% 実務責任者):伊藤

 

理由1:所員が20人近くなり、指導、営業、経営、人事、会計、資金繰りなどのマネジメント業務が増大して、奥野が自分で案件を処理する時間を確保することが困難になってきたためです。

理由2:奥野が土日を潰して睡眠時間を削れば多少の実務は可能ですが、奥野の体調が悪化してイライラし始めることがあります。その結果、奥野が土日や夜中に実務を担当して売上が増えるメリットよりも、所内の雰囲気が悪化するデメリットの方が大きいというアホな現象が発生します。また、奥野が睡眠不足、疲労のために経営判断をミスったり、奥野の人間としての器の小ささに起因して、奥野がイライラして所員に八つ当たりをしたり、所員の報告・連絡・相談に対応する時間を確保できなくなったり、所員の指導をする時間を確保できなくなって、人事が崩壊する危険性が高まります。

理由3:奥野が実務・指導・経営を兼任しても、奥野の性格上、営業マター・指導マター・経営マターを優先するので、自分で直接担当する案件が遅れてしまい、クライアントに迷惑をかけ、営業上大きなマイナス効果を生む危険性が高くなります。

 

SKIPでは、経営陣→管理職→スタッフの権限移譲について、下記の書籍の経営理論を参考にしています。

 

 



デメリット:奥野が営業、経営、人事、会計、資金繰りなどのマネジメント業務で遊んでどっさり報酬をもらっているのを見て、所員が【糞所長 遊んでねえで明細書かけよ バーカ】 と不満に思う可能性があります(どこの事務所でも、所長が不在のときによく見られる光景・・・特に所員の報酬が少なくて、経営者が利益を独り占めしており、所長はゴルフ・麻雀・カラオケ・接待・国内出張・海外出張・弁理士会の派閥・弁理士会の委員会・セミナー講師・大学の非常勤講師・愛人とのデートなどして遊んでいるように見える場合)。というか、SKIPの所員は多かれ少なかれ間違いなくそう思っているはずです(奥野が所員であっても、明細書を書かない所長に対してはやはり反感を持つと思います・・・)。

対策:SKIPの報酬体系のように、案件を直接担当するプレーヤーの歩合を高くして、経営者の奥野のもらう営業歩合、指導歩合を低めに設定しています。また、法人の利益率を10%固定にして搾取率を低くしています。また、奥野は所員から遊んでいるように見える行為を控えるようにしています。

 

その後、経営に専念することにした奥野は、不満を爆発させている所員を必死でなだめたり、ボーナスなどの報酬面で優遇したり、家に閉じこもってオフィスに出てこないのを説得したりなどの努力を行いましたが・・・その所員からの【SK特許業務法人の持分の50%を無料で譲渡すれば辞めずに残ってやる】という要求にどうしても応じることができませんでした。いずれにしても、このような奥野の不徳のために所員の不満を消し去ることができず、結局その所員は不満を爆発させつつ退職してしまいました・・・。

 

その後は、その所員の退職までの混乱を沈めて日常業務を安定化させることに注力した結果、不満を爆発させた所員の退職後2~3ヶ月程度で、再び平穏な日々が訪れ業務もスムーズに廻るようになりました。 その後は、退職した所員のもらっていた報酬をその所員の部下に分配することによって、残った所内メンバーの労働意欲&責任感が高まって、下半期には前年度よりもかなりよい業績を上げることができ、災い転じて福となす・・・という結果に終わって心の底から安心することができました。

 

このようなトラブルを乗り越えて、6年目からはSK特許業務法人の売上高利益率は約10%に安定し、内部留保金が増えて資金繰りが著しく改善しました。そして、年度末には、売上高利益率が10%を超えたので、それ以上に利益が出た分を所員に還元して、決算ボーナスとして240万円を所員に支給しました。また、所員の使い残した有給休暇を1日1万円で買取償却しました。

 

また、好調な決算を受けて、所員の待遇改善のために超々近距離手当(月3万円)を創設し、出張日当の増額を行いました。

 

2014.12.31

2014年の決算(法人事業)で黒字化達成:売上高 2億0,677万円, 当期純利益 1,946万円, 手元現預金 3,462万円€ 有利子負債ゼロ、経営陣からの短期借入金1,414万円)
弊所顧問 浅田会計事務所が 決算を作成

 

◆創業期を支えたベテランの退職+若手の採用による新陳代謝、稼げる秘書グループへの進化(7年目)

 

ベテランの退職+若手の採用による新陳代謝(所員17名→21名)

2015年の上半期には、SKIPの創業期を支えた4名のベテラン所員が相次いで退職したことにより、SKIPのアジアグループ+秘書グループを中心に一時的にマンパワー不足が生じて、アジアグループ+秘書グループの業務が少し混乱しました。そこで、3名の日本人の弁理士・特許技術者(押谷、内藤、坪)を採用することに加えて、1名の漢民族中国人の中国弁理士(李若欣)、2名の朝鮮系中国人の特許技術者(朴永燦、曹仙子)、1名の朝鮮系中国人の中国弁護士兼アジア秘書(金玉蘭)、3名の国内・欧米秘書を採用して、マンパワー不足によるアジアグループ+秘書グループの混乱を乗り切りました。

 

これらの退職するベテラン人材は、いずれも属人的なノウハウを有する人材でしたので、 それらのベテランのノウハウを引き継ぎの際に可視化してマニュアル化して、若手に引き継ぎを行いました。また、引継ぎの際にマニュアル化されたノウハウを、マクロなどを使ってプログラムによる 自動化システムに落とし込んで、さらに業務の効率化を図りました。 ベテランの退職によって一時的に業務が不安定になり、引継ぎの負担も重かったのですが、ある意味で、IT化による業務効率化のチャンスでもあると考えて前向きに乗り切るようにしました。 これらの引継ぎ+属人ノウハウの可視化+マニュアル化された業務の自動化などの作業を集中的に行った4月~9月の間は、引き継ぎに伴う人件費の2重負担によって、事務コストが重くなり、 利益率が少し低下しましたが、何とか赤字には転落せずに済み、上半期も売上の約5%程度の営業利益を出すことができました。

 

また、2015年の上半期には、SKIPのクライアントの下記の内閣総理大臣賞を受賞した発明の特許侵害訴訟を室谷法律事務所と一緒に代理することになり、毎月のように奥野が坪と一緒に大阪地方裁判所の知的財産専門部に出張しなければいけませんでした。

 

播磨灘産蒸しかき「珠せいろ」が平成26年度内閣総理大臣賞を受賞

 

特許の侵害訴訟はかなりハードな仕事でしたが、特許侵害訴訟の経験豊富な室谷先生にご指導頂きながら、なんとか上半期の終わり頃には仮処分の決定が出てほっと一息つくことができました。

 

2015.11.24

広尾ビルへの移転に伴う労働環境の改善(所員21名→22名)

2015年の下半期には、人材増強の結果オフィスが手狭になったために、渋谷区の広尾三丁目にある60坪程度(月60万円程度)のワンフロアの広尾ビル4階に移転しました。新しいオフィスビルにはエレベータもあるのでクライアントおよび所員の入室が楽になり、全館セコム警備が入っているのでセキュリティーも向上しました。また、新しいオフィスは、あこがれの給湯室、きれいな男女別トイレ、大型の空調システムも設けられていましたので労働環境もさらに改善されました。ただし、駅から徒歩15分くらいかかるので、所員の通勤が少し大変になり、クライアントにお越しいただく手間が少し増えるというデメリットも有りました。また、お昼ごはんを食べることのできる飲食店が少ないというデメリットも有りました。

 

新しいオフィスでは、文系弁理士の石井が入所してくれて、秘書グループの新しい戦力(+明るい性格のムードメーカー)となってくれました。また、新しいオフィスでは、ベテランからの引き継ぎの際に可視化されたノウハウを、マクロなどを使ってプログラムによる自動化システムに落とし込むシステム開発を伊藤+坪が連携して徹底して行いました。 その結果、ベテランが行っていた属人的な作業の多くがマクロなどを使ったプログラムで自動化されるようになり、引き継ぎに伴う人件費の2重負担も無くなって、事務コストが軽くなったため、オフィスの引越しに伴うコスト増加も吸収して、下半期も売上の約5%程度の営業利益を出すことができました。

 

2015年の下半期には、特許の侵害訴訟は侵害論から損害論に移行し、室谷先生に損害論のご対応をおまかせしていましたが、今度は無効審判の請求を受けて、毎月のように奥野が坪と一緒に大阪の室谷法律事務所の会議室に出張していました。

 

2015.12.31

2015年の決算(法人事業)で黒字化達成:売上高 2億2,331万円, 当期純利益 1,303万円, 手元現預金 3,754万円,€ 完全無借金経営)
弊所顧問 浅田会計事務所が 決算を作成

 

◆労働問題の発生に苦しむもなんとか乗り切り+秘書グループの安定化&残業激減に成功(8年目)

 

労働紛争を乗り切り、過去の負の遺産を一掃(所員22名→26名)

2016年の上半期は、いきなり波乱の幕開けでした。2015年の上半期に、SKIPの創業期を支えたベテランの事務担当者が相次いで退職したことにより、2016年の下半期に、欠員補充として数名の事務担当者を採用しました。

 

その際、人材採用の水準を焦って下げてしまったのが失敗でした。このときに採用した人材の大半は優れた能力を持っていて、バリバリと活躍してくれたのですが・・・1人だけ、履歴書を見ても、採用面接中も、この人ちょっと大丈夫かな?というレベルの人を、まあいないよりはいたほうがマシかな?というノリで採用したところ・・・マジで全然仕事ができない+やる気の無い人であることがわかって困ってしまうことになりました。

 

しょうがないので、断腸の念で退職手当などを支払った上で解雇させて頂いたところ、驚いたことに、共産党系の組合がオフィスに乗り込んできて、団体交渉が始まりました。その結果、共産党系の組合との交渉で、弊所の経営陣+事務部門のメンバーが半年ほど振り回されて、心身ともにクタクタになってしまい、上半期の業績は、あまり芳しいものとはなりませんでした。何よりも、所内にギスギスした空気が漂って、これが噂に聞く労使紛争ってやつか・・・と思い知ることになりました。うーん、こりゃ、中小企業の経営者の人たちが、労働組合や共産党を嫌いになるのは当たり前だな・・・とようやく身をもって理解できた貴重な経験でした。

 

ぶっちゃけ、和解のために支払った割増の退職手当の金額なんて、労働紛争に対応するための所内人件費の増加の悪影響に比べると、わずかなモノでしたので、超高速で労働紛争の交渉を進めて、共産党系の組合には、サクッとお引き取り願いました。途中で、共産党系の組合のほうが、ええっ、明日ですか?それは無理。来週?それも早すぎ。もっとゆっくり交渉しましょう・・・つうか、テメエの方から電話してきたり、組合事務所に来たりするんじゃねえよ!常識ねえのかよ!と言ってきたくらいでした・・・(経営者サイドからどんどん交渉をすすめるケースは珍しいみたいですね・・・)。労働紛争の開始から1ヶ月で労働審判に移行してわずか2ヶ月でスピード解決をしたので、知り合いの弁護士さんにめっちゃ早いっすねとびっくりされました。

 

この労働紛争での自ら主導権を握っての超高速な交渉プロセスは、他の経営者の皆様にもオススメいたします。とにかく、キモは、共産党系の労働組合との交渉を超高速で終わらせて、すぐに労働審判に行くことです。労働審判では、共産党系の労働組合は交渉の席から外されて、サクサクとビジネスライクに交渉ができますし、和解金の金額も第三者が公平に決めてくれてその通り払えばいいだけなので、超オススメです。

 

その後、労働紛争の反省を活かして、所内の労務規程などを見直して再整備した上で、事務部門の所員との間できちんと労働条件を説明した上で合意を結ぶようにしたり、事務部門の所員に対するボーナス配分(業務効率化達成ボーナス)を増やしたり、産休や育休を取りやすくするなどして、事務部門の所員の労働条件の改善に努めました。また、この労働紛争の反省を踏まえて、どんなに忙しくても、二度と人材採用の水準を下げて、妥協して駄目な人材を採用するようなマチガイを侵さないように心に誓いました。

 

また、2016年の下半期から、事務部門を「事務開発部門」に改組しました。それまでは、技術部門のメンバーが中心になって開発を進めていましたが、そのやり方では、技術部門の発想では事務部門が本当に使いたいものを作ることが困難であるという問題がありますす。 「使う人が、自分が欲しいものを、自分が使いやすいように作る」というのが理想ですが、使う人と作る人が分かれているとこの理想を実現することができません。 そこで、この理想を実現するために、事務部門を「事務開発部門」に改称し、毎週VBAの講義を行って、コーディングを勉強させてきました。

 

2016年の下半期は、上記の労働紛争が収まった結果、共産党系の労働組合が押しかけてくることもなくなり、事務部門の雰囲気が改善して、みんなが安心して働けるようになりました。その結果、労働紛争に対応するための無意味な人件費も減少し、毎月の売上も増加に転じて、かなり多くの利益が出るようになりました。しかし、上半期の労働紛争さえなければ、もっと多くの利益が出て、所員にさらに多くのボーナスを支給できたのになあと残念に思う決算でした。

 

2016.12.31

2016年の決算(法人事業)で黒字化達成:売上高 2億6,208万円, 当期純利益 2,059万円, 手元現預金 5,842万円,€ 完全無借金経営)
弊所顧問 浅田会計事務所が 決算を作成

 

◆事務開発部門が軌道に乗り、プロフィットセンター化(9年目)

 

事務開発部門によるシステム開発の仕組み化に成功(所員26名→27名)

2017年に入って、事務部門を「事務開発部門」に改称し、毎週VBAの講義を行って、コーディングを勉強させてきた成果が上がり始めてきました。この頃から、事務開発部門のメンバーが、普段の業務を行いながら、ミスをしそうな箇所を見つけると、自らコーディングをして警告が出るようにシステム変更を行うことができるようになりました。また、事務と技術の連携も、事務メンバーがChatWorksのAPIを用いてコーディングを行うことによって大幅に効率化されました。

 

また、SKIPのシステムを、誰でもアップデートすることができ、全てのバージョンが自動保存されるようにしました。このため、誰もがシステム開発に参加して、業務効率を高めることができるようになりました。 多くの組織では、問題を感じる人と、問題を解決できるスキルを有する人と、システム改良の許可を出す人が分かれているので、システムの改良がほとんどなされず、使いにくいシステムが長く使われると思います。 SKIPでは、問題を感じる人と問題を解決できるスキルを有する人とを一致させ、かつ、決済なしでシステム改良を行うことができるようにしましたので、使いにくい箇所がその日のうちに改良されるようになりました。

 

★SKIPの短期的な経営方針は以下のとおりです(2020年頃までの計画)。


SKIP では
2020年までに一人あたり売上で【中の中の レベル】の特許事務所になることを目指しています

また、SKIPは、2020年までに不良債権をゼロにして、完全無借金経営にすることも目指しています。

つまり、SKIPとしては、2020年には以下の様な指標を達成したいと考えています。 これが達成できれば、一人あたり売上で【中の中のレベル】の特許事務所なったということで、ようやく一人前の特許事務所の仲間入りであると考えています。

売上            4億8000万円
営業利益         4800万円
常勤所員数           30名
所員一人あたり売上  1600万円
所員一人あたり年収  1000万円


★SKIPの中長期的な経営方針は以下のとおりです(2020年頃までの計画)。


SKIPが重視している企業経営に必要な7つ の要素

SKIPは、企業理念・企業文化だけでは企業経営はうまくいかないと考えています。企業経営がうまく いくには以下の7つ の要素が必要であると考えられます。
STEP1:顧客発見(SKIPでは奥野が1年目に実行)
STEP2:顧客実証(SKIPでは奥野が1年目に実行)
STEP3:顧客開拓(SKIPでは奥野、伊藤が1年目~2年目に集中的に実行)
STEP4:オペレーションシステム構築 (SKIPでは伊藤が2年目~9年目に実行、まだ現在進化中)
STEP5:組織構築(SKIPでは2014年~メンター制度を設けて本格的な組織構築を始めました)
STEP6:経営システム構築(SKIPでは2014年~奥野が管理会計システム、経営分析システム、与信管理システムを構築し、伊藤弁理士が債権回収システムを構築してようやく稼働を始めました)

STEP7:企業文化構築(本当は最後に構築すべきだが、SKIPではすでにある程度自然にできています)

なので、現在のSKIPの課題は、STEP4~STEP6の段階にあります。
つまり、えてきた案件を事故なくきちんとこなすためのオペレーションシステムの整備が最優先であり、
そのオペレーションシステムを稼働させるための優秀な人材の採用・育成が次優先であり、
メンバーが増えたときのマネジメントシステムの構築が中期的課題です。


企業文化は、最後に構築が必要な課題なので、特に力は入れていません。勝手に自然と今の企業文化が構築 されたというのが本当のところです。ただし、メンバーの数が増えた場合に、企業文化が変質・崩壊 しないように対策をとる必要があるとは考えています。


いずれにしても、SKIPの人数が増えて規模が拡大してくると、ベンチャー企業のサイズであった場合と は異なる経営上の課題が出てくるはずなので、うまく経営陣、所員全員がSKIPの経営ステージに応じて必要とされる能力を発揮できるように各自の意識改革、能力開発、報酬体系の整備、オペレーションシステ ム開発、企業文化のコントロールをしていかなければ ならないと考えています。


なお、年間の拡大ペースですが、2015年~2020年の間は、年間の売上増加ペースを20%以下に抑える予定です。 なぜなら、SKIPは人材の採用方針を中途採用中心ではなく、理系の修士・博士の新卒採用中心にしているため、新卒を育成するための手間を考えると、年間10%程度の人材増加ペースが限界だからです。その うえで、各メンバーの能力向上、所内のオペレーションシステムの効率化などによる単位人材あたりの処理能力向上が年間10%を見込めるとしても、年間20%の売上増加が限界ではないかと考えています。一方、年間20%程度の売上増加であれば、クライアントへ納品するサービスの品質を低下させずに(むしろ少しずつ向上させつつ)成長させることも可能であると考えています


もう一つの理由は、SKIPが完全無借金経営を続けるためです。SKIPの年間の拡大ペースですが、2015年~2020年の間は、年間の売上増加ペースを20%以下に抑える予定です。SKIPが有利子負債ゼロを続けながら着実に成長をするには、法人の利益率を10%程度は確保する必要があると考えています。

SKIPの場合、内々、内外、外内の売上が1/3ずつのバランスのよい売上構造であるため、必要な手元現預金は毎月の売上の2ヶ月分あれば十分資金繰りショートを防げます。また、2015年に集中的に実施した財務リストラによって、CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)は約ゼロ月になっています。そのため、SKIPの運転資金 (手元現預金+売掛金-預かり金)は約2ヶ月分あれば良いということになります。


そして、売上の2ヶ月分の運転資金であれば、SKIPのように法人の利益率が10%であったとしても内部留保金で賄うことができます。そして、毎年の売上の増加率が20%以下であれば、必要な運転資金の増加率も年間売上の1/6×0.2=約3%となります。すると、法人の利益率が10%の場合、法人税支払後の内部留保率は約6%となりますので、年間20%程度の売上増加であれば、きちんと運転資金の増加をカバーできることになります。


一方、年間の売上増加ペースが40%を超えるようであれば、法人の利益率が10%のままだと、運転資金の増加に内部留保金の増加が追いつかないために、どんどん運転資金が足りなくなるこ とになります。そして、その運転資金を確保するために、金融機関から有利子負債を借り入れて運転資金を賄うことになります。その結果、いわゆる銀行管理(いつでも銀行の都合で倒産させられる状態)になってし まいます。なぜなら、事業用のローンというのは、長期借入金といっても、1年契約で毎年更新のようなローンが多く、来年は貸さないよ・・・といわれた瞬間に資金繰りショートしてぶっ潰れるという核兵器のような存在だからです。


また、今後のクライアントの開拓方針ですが、すべてのクライアントの売上依存率が10%未満となるようにコントロールをしていく予定です。 具体的には、特定のクライアントの売上依存率が10%を超えそうになったら、それをトリガーとして新規開拓の営業を行なってバランスを取り戻すという仕組みにしています。現在のところ、SKIPとしては、 内々、内外、外内の売上が1/3ずつのバランスのよい売上構造であるため、すべてのクライアントの売上依存率が10%未満の状態を維持できています。このようにすることで、一部のクライアントの案件の依頼数の凸凹があったとしても、毎月のトータルの受任件数は平準化されて凸凹がなくなり、SKIPの業務におけるムリ・ムラ・ムダを排除することができます。何よりも、繁忙期にあわせて普段は稼働しない余分な人材、設備などを用意しなくて済むので固定費を抑えることができるのが大きなメリットです。 その結果、固定費の抑制によってクライアントへの請求金額を30%以上削減しながらも、十分な変動費を確保して所内のメンバーには高水準の報酬を与えることに成功しています。


SKIPの企業文化は、オープンブック マネジメントという考え方が基本になっています。
日本の特許事務所では、オープンブックマネジメントをしているのは、おそらくSKIPだけだと思いま す。
つまり、経営の数字を完全に全員に公開することによって、全社員を経営者として扱うという仕組みです。


また、SKIPでは、今後の中長期的な経営の指針として、下記の書籍の経営理論を参考にしています。

リーン・スタートアップ 顧客発見の仕方が書いてあります



アントレプレナーの教科書 [単行本(ソフトカバー)] 顧客実証~顧客開拓までの仕方が書いてあります



キャズム 顧客開拓の仕方が書いてあります



アントレプレナーマネジメント・ブック―MBAで教える成長の戦略的マネジメント オペレーションシステム 構築&組織構築の仕方が書いてあり ます



オープンブックマネジメント―経営数字の共有がプロフェッショナルを育てる [単行本] 経営システム構築&企業文化構築の仕方が書いてあります。



特に、経営学の教科書、コンサルタントの講演な どでは退屈な部分なので重視されないことが多いのですが、STEP4~STEP6 のオペレーションシステム構築、組織構築、経営システム構築は重要であると思いま す。多 くの職人としても営業マンとしても優秀な弁理士さんが、ここでつまずいて、個人事務所、弱小事務所で終わっているケースが多いからです。

また、顧客発見、顧客実証、顧客開拓のプロセス に成功して、事務所が成長ステージに乗った後にありがちな崩壊パターンとして事務所の分裂があ ります。事務所の分裂の一番の原因は報酬の分前をめぐっての醜い争いですので、報酬システムは 何よりも優先して公平性、モチベーション、適正利益の確保のバランスを重視して整備しなければ なりません。

逆に、その分裂を恐れるあまり、経営者がくだらない嫉妬心、権力欲によって、自分より優秀な人材を雇えな かったり、ひどい場合には 乗っ取りを恐れて首にして追い出すことも あります。実際に、優秀な人材というのは諸刃の剣ですので、個人事務所、弱小事務所として細く長く安定した経営を目指して行くのであれば、自分よりも優秀 な人材を雇わないというのもひとつの賢明な経営判断であると言えます。あるいは、優秀な人材を雇ってし まった場合には、クライアントにはできるだけ接触させず、経営上の情報 は非開示にし、業務改善提案などはすべて無視して、報酬も固定報酬で安月給にして、所内で影響力を高め たり、クライアントと親密になったり、独立開業に必要な資金力を持たないようにさせるというのもひとつの賢明な経営方針です。


実際のところ、経営者目線で考えると、「従業員とは、冷遇すると不満を持って仕事の手を抜き、優遇すると勘違いして経営者に逆らうやっかいな存在」な ので、経営者が従業員に不信感を 抱いて敵対関係になりがちなのも当然です。一方、従業員目線で考えると、「経営者とは、うまく行ったら天才経営者の俺様のおかげ、失敗したら部下のせいにするトンデモない自己愛性人格障害者」です。なので、経営者と従業員とはお互いに平行線です。この矛盾をいかにして解消して、経営者と従業員との利害を一致させるかが、経営上最も重要な要素になります。

しかし、SKIPとしては、個人事務所、弱小事務所で終わるつもりはなく、将来的には日本でもトップクラス の一流事務所になることを目指しています。そのため、経営者がくだらない嫉妬心、権力欲を乗り越えて、自分よりも優秀な人材をかき集めて、独自の営業活動もさせて、どっさりと報酬と権限を与えることができるかどうかが、個人事務所、弱小事務所から、中堅事務所になれるかどうかの決め手になります。そのように考え、SKIPでは優秀な人材には青天井の報酬と、自分がメンターをつとめる若手所員へのマネジメント権限の付与をしていき、優秀な人材を定着させようと考えています。


その際に、まさに採用こそすべてであり、SKIPが「優遇しても勘違いしないで逆らわずよく働く」性格を持ったAクラスの人材を採用できるかが勝負の分かれ目だと考えています。個人的な経験では、地方の非富裕層・非エリート層の家庭出身(理想は実家が農家か自営業)で、幼少時代から塾や予備校に通ったりしていない、いわゆる天然 モノだけど地頭の良い地方の国立大学の理系の修士・博士にこういう「優遇しても勘違いしないで逆らわずよく働く」 人材が多いと感じています。なので、SKIPでは「田舎(またはアジア)の非富裕層出身の天然モノの優等生を採用する」こ とを人事採用の基本方針としています。

もちろん、いくら優秀な人材でも、SKIPの経営方針、企業文化に適合しない方(例えば、労働分配率2/3でも満足できず、自分の売上の100%をよこせ。天才の俺様に対する待遇としては当然だけど、SK特許業務法人の持分の半分を俺様に無料でよこせ。創業者のお前はただ単にSKIPを創業しただけでもう用済 みなんだから創業者としての報酬を受け取らずに、その分の報酬も全部俺様によこせ!俺様のほうが優秀なんだ から、創業者だろうと俺様の命令にしたがって雑用でも便所掃除でもするか、無料でSK特許業務法人の持分を放棄してとっとと引退しろ!みたいなふうに考えてしまう人材など・・・)には、他の事務所に移るか、独立開業していただいて、より自分らしく輝けるフィールドに移ってもらいますが・・・。

実際、創業者なんて事務所の経営が軌道に乗っちゃえば無用の長物で、 報酬貰わずに引退してくれたほうがありがたい存在でしかなく、また何かトラブって経営がやばく なったときだけ一時的に復帰してくれて、みんなのやりたがらない創業時の苦労をもう一回しょって出てくれて、その後経営が立ち直ったらまたすぐに引退してくれりゃ都合がよいのですが・・・ま あ、それだと創業者としては事務所を起業した意味なかったじゃん・・・となるので、うざいかもしれませんが我慢してあげてください。

それに、不思議なことに、邪魔なはずの創業者がいなくなると経営が傾く企業や事務所が多いのは事実なので、何かわからんけど創業者って役に立ってるんかもしれん・・・と思ってあげてください。多分、創業者を追い出した場合に経営が傾く 理由は以下のとおりです。

STEP1:創業者(実務能力:Bクラス)が顧客開拓、顧客実証、顧客開拓に成功する。

STEP2:創業者が、嫉妬心、権力欲を乗り越えて、自分よりも優秀な人間(実務能力:Aクラス)を採用して、独自の営業活動もさせて、どっさりと権限と報酬を与えることに成功し、オペレーションがうまく行って売上が順調に拡大する。

STEP3:創業者が、自分よりも優秀な人間(実務能力:Aクラス)をどんどん採用しまくって、どんどん事務所の処理能力および売上が増える。さらに、優秀なAクラス人材に好き勝手に改善活動をさせていたら、 一部のAクラス人材が優れたオペレーションシステムを開発してくれたので、その新しいオペレーションシステムを採用したら、クライアントからの評判がうなぎのぼりに高まって業績が飛躍的に向上する。

STEP4:事務所の規模が大きくなり、創業者が実務にタッチすることが減る。一部のAクラス人材が、ろくに実務をしない創業者に不満を感じ、「労働分配率2/3でも満足できず、自分の売上の100%をよこせ。天才の俺様に対する待遇としては当然だけど、SK特許業務法人の持分の半分を俺様に無料でよこせ。創業者のお前はただ単にSKIPを創業しただけでもう用済 みなんだから創業者としての報酬を受け取らずに、その分の報酬も全部俺様によこせ!俺様のほうが優秀なんだ から、創業者だろうと俺様の命令にしたがって雑用でも便所掃除でもするか、無料でSK特許業務法人の持分を放棄してとっとと引退しろ!」という気分になる。その結果、その一部のAクラス人材が、反乱を起こして創業者を追い出すか、クライアントを連れて分裂して独立開業する。


これが起こらないようにしないとイケナイ!

STEP5:創業者を失った組織では、新しく経営者となったAクラス人材が、残念なことに自分の地位、権力、報酬などを守ることを重視するタイプであったために、自分の地位を脅かさないBクラス人材を雇うようになる。 その結果、じわじわとオペレーションの効率が低下し、クライアントからの評判が低下しはじめる。そのうち に、Bクラス人材が幹部になって、Cクラス人材を採用しだすので加速度的に業績も悪化し始める。


これが、おそらく、創業者を追い出した場合(あるいは2代目が世襲した場合)に起こる業績悪化のパターンだと思います。2代目の世襲の場合も、2代目が嫉妬心、権力欲の強いタイプだと、Bクラス人材、Cクラス人材ばかり採用してしまい、Aクラス人材の改善提案などに脅威を感じて無視するようになることがよくあります。その結果、Aクラス人材が嫌になって辞めてしまって、どんどん処理能力、業務効率、業務品質が低下して、じわじわとゆっくり没落するのだと思われます。

このような状況を避けるためには、創業者としては、嫉妬心、権力欲を乗り越えて、独自の営業活動もさせて、自分よりも優秀な人間(実務能力:Aクラス)を採用してどっさりと権限と報酬を与えて、オペレーションがうまくいくようにすることに加えて、Aクラス人材の反乱、分離独立を防ぐための仕組みをうまく構築することが重要になると思います。

また、創業者としては、Aクラス人材の一部が、 自分の地位、権力、報酬などを守るためにBクラス人材を採用しそうな動きを見せたら全力で阻止することが重要になると思います。もっとも、こうすると、所詮、実務能力ではBクラス人材に過ぎない創業者の立場はどんどん危なくなっていくのですが・・・まあ、そこ を乗り越えられないようでは一流の特許事務所を作ることはできないと思います。


いずれにしても、SKIP所員一同、 今後もさらなる発展をめざしつつ、慎重にコツコツと地味に頑張って参ります。


SKIPは、浅 田会計事務所の 指導を受けて国税庁のe-TAX、 東京都主税局のeL-TAXを 導入して国税(法人税、源泉税、消 費税など)・地方税(法人事業税・地方法人特別税・法人都民税、23区内の事業所税)を電子納税する仕 組みを導入しています。


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SKIPでは、浅田会計事務所の 指導を受けて適正な申告・納税を推進して参ります。